中国サッカーW杯出場に向けて「帰化」選手起用方針

出典:東方新報 掲載時間:2019-07-26
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中国サッカー協会はこのほど、「外国籍優秀選手の中国籍取得申請事務実施に関する意見」を打ち出した。サッカー好きの習近平Xi Jinping)国家主席は「中国の夢」に対比する「個人の夢」としてW杯(World Cupの中国代表出場優勝W杯の中国開催を挙げており、中国ではサッカー強化はもはや国家の威信をかけたプロジェクトの一つ。その最も手っ取り早い方法が優秀な外国人選手の帰化促進というわけだ。3月に「中国サッカー協会国籍取得選手管理暫定規定」が打ち出され、これを補完する形で出された「意見」では、他国の代表経験がないことなどの条件が加えられ、帰化促進対象をW杯出場可能選手に絞っていることは明白だ。だがこうした「傭兵部隊」にW杯出場を頼らざるを得ないことに、愛国的サッカーファンの胸はざわついている。 

中国の帰化選手第一号といえば2019年1月に帰化し北京国安に移籍した李可(Li Ke選手(アーセナルFCアカデミー)。だが彼は中国とキプロスのハーフで、もともと中国籍を選択する権利をもっていたことから、このときファンたちはあまり問題視しなかった。 

だが上海上港(Shanghai SIPG、中国)FW、ブラジル人のエウケソンElkeson選手や山東魯能泰山(Shandong Leung Taishan、中国)MF、ポルトガル人のペドロ・デルガド(Pedro Delgado選手ら中国人の血入っていない「中国人選手」が登場するとその是非をめぐってネットで炎上。 

「中国サッカーの若手選手育成現場の惨たんたる状況の前で、帰化選手を登用しないでは20年以内にワールドカップに出場する可能性はほとんどないという現実を見るべきだ」という意見がある一方で、「本物の中国人がいない中国代表なら、永遠にワールドカップに出場しなくていい」という反論もでた。国際サッカー界では当事国の法律と、国際サッカー連盟(%%FIFA%%の規定に合致すれば、いわゆる帰化選手の活躍は極めて普通のことなのだが、中国は伝統的に血縁血統が国籍以上に重視される価値観があり、中国人でない中国籍選手がW杯で戦っても勝っても、嬉しくないという愛国的サッカーファンも少なくない。

中国サッカー協会がこのほど打ち出した「意見」によれば、中国の血統をもたない外国人選手の国籍取得申請は満18歳以上26歳以下の選手に限るという年齢制限を儲けた。また外国の代表選手として正式な国際試合に出場したことがない、原国籍放棄という条件が加えられた。FIFAの規定では一度でも他国の代表として国際試合に出場すれば、別の国の代表選手にはなれないからだ。年齢制限は、金に釣られてくる国際傭兵ではなく、選手としての黄金期を中国で過ごしてくれるより若い選手ならば、中国への愛国心、忠誠心がより強かろう、ということらしい。ならば将来的にはアフリカや南米の貧困家庭から子供を集めて早期から帰化準備をはかりながら選手を育成すれば中国への忠誠と愛国心も備えた強い帰化選手が誕生するのではないか、といった意見もでている。 

愛国心の有無はさておき、一国のサッカー産業において、代表チームがW杯に出場することは、サッカーアカデミー、リーグ、そして産業チェーン上のあらゆる分野の従業員の末端にいたるまで、巨大でポジティブな刺激を与えることは言うまでもない。まずは出場することに意義はあるというならば、優秀外国人選手の帰化促進は2022年のカタールW杯に中国代表チームが出場するための応急手段であるとはいえそうだ。(c)東方新報/AFPBB News


中国の帰化選手第一号、2019年1月に帰化し北京国安に移籍した李可選手(真ん中)2019年6月6日撮影)。(c)CNS/黎眺

 


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