「ネットバレンタインデー」に合わせ「バラの町おこし」 盛り上がる「中国のバラ発祥の地」

出典:'本站原创' 掲載時間:2020-06-12
共有:


「520」の日に入籍した山西省太原市のカップル(2020年5月20日撮影、資料写真)。

中国では近年、5月20日が「ネットバレンタインデー」として呼ばれ、若者らが愛を伝える日として定着してきた。男性が女性にバラをプレゼントすることも多く、中国有数のバラの産地では「バラの町おこし」で盛り上がっている。

「520」は中国語で「ウーアーリン」と発音する。中国語で「愛してる」を意味する「我愛你」の発音「ウォーアイニー」と似ていることから、微信(ウィーチャット、WeChat)などを通じて愛を告白したり、カップル同士が愛情を伝えたりする日になってきた。翌日の「521」も「ウーアーイー」の発音から「我愿意」(私の心を込めて)の「ウォーユェンイー」を意味する特別な日となってきた。

恋人の記念日というと2月14日のバレンタインデーが「情人節(恋人の日)」、旧暦の7月7日が「七夕情人節」として定着しているが、中国のバレンタインデーは男性が女性にバッグやアクセサリーなどの高額なプレゼントをしてディナーもセットというパターンが多く、あまりお金がない学生らには少し縁遠いものがある。七夕情人節は「古くさい」というイメージがある。そんな中、SNSで気持ちを伝える「520」はネット世代の若者にはぴたりとはまった。そしてプレゼントする場合の定番がバラ。男性が女性にバラ一輪だけを渡したり、恋人同士でバラの花束を持った写真をネットにアップしたり。5月20日や21日に婚姻届を出すカップルも年々増えている。

そこで注目が高まっているのが、「中国のバラ発祥の地」といわれる山東省(Shandong)済南市(Jinan)平陰県(Pingyin)だ。2000年前の漢代に慈潔という僧がバラを植えたのが始まりといわれ、1300年前の唐代から本格的に栽培が始まったとされる。冬や早春は雨が多く、温度の上昇は穏やかで春の芽吹きや開花の時期は雨が少なく、病害虫も少ないバラの成長に適した環境だ。平陰県の中には「玫瑰(Meigui、バラ)鎮」と名付けられた村もある。これまではローズウオーターやオイル、お茶、ジャム、酒などの加工商品として広まっていたが、バラ自体がプレゼントとして人気が高まっている。

ハマナス系の平陰バラは、甘い香りと花びらの大きさや色鮮やかさが評判だ。保管技術や輸送手段が進歩し、インターネットを通じて全国から注文を受け、配送できるようになった。バラの栽培面積は4000ヘクタール、品種は約50種類、年間生産量は2万トンで、年間売り上げは50億元(約752億4150万円)に達する。バラ栽培に従事する農家は3万戸を超え、その規模は世界最大といわれる。

5月20日に合わせたインターネットのライブ販売では、瞬く間に注文が殺到して品切れに。マスコミも「中国バラの里」として、美しいバラが広がる平陰県の光景をリポートするようになった。

運搬が不便だった時代は平陰県ではバラを作っても売れず、農家も貧しい暮らしが続く時代もあった。今や「平陰バラ」はブランドとして確立し、古くから栽培を続けてきた伝統がインターネットと結び付き、町に豊かさをもたらしている。

関連ニュース: