【14億分の1:中国事件簿】「殺魚弟」の真実の人生(上) ネット有名人の少年、農薬飲み自殺図る

出典:東方新報 掲載時間:2018-08-22
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魚をさばくことが上手な「殺魚弟(訳:魚屋少年)」として中国のインターネットで有名だった孟凡森(Meng Fansen)さん(18)は7月31日午後6時ごろ、家族と激しいけんかの5分後、劇毒の除草剤を飲み込んだ。

一時は重度の中毒に苦しんでいたが、病院で手当てを受けた結果、容体は快方に向かっているという。

事件の9日後、少年は山東大学(Shandong University)斉魯医院の病室に横たわっていた。数分毎に体を左右に動かし、「頭が痛い、苦しい」とうめく。声はかすれ、息が細い。

2010年、当時まだ10歳だった少年は、父親の孟長青さんの魚屋を手伝っていた。たまたま魚をさばいている姿がインターネットで拡散し、一躍有名に。凡森さんの魚をさばく手つきの巧みさと眼つきの鋭さが尋常ではない、とネットユーザーは盛り上がった。

8年の歳月が過ぎ、「魚屋少年」は農薬を飲んで自殺を図る画像で人々の視野に戻ってきた。人々は、過去に報道された少年の成長記録と今回の自殺未遂の間にどんな結びつきがあったのか、その背後にあった動機と原因に考えをはせる。

「この数年来、息子の心の変化に気が付いていなかった」。病室で日夜、添い続ける少年の両親は、困惑と混沌の中にいる。


■親子げんかの末に

7月31日の夕方、蘇州市(Suzhou)肥新村(Feixin)の街道は、人と車でにぎわっていた。車の警笛と物売りの声が混じり合う。暑さの残る中、少年は短パンに上半身裸の格好で、街道脇の野菜市場に入って行った。両親に代わって商品代金を回収しようとしたのだ。

その日、市場の角の水産品売り場は在庫がなくなってしまい、両親に約50キロの魚を配達してほしいとの依頼があった。凡森さんの母親の王嵐さん(仮名)は、「この客は同郷の親せき。互いに助け合い、低い値段で売り買いしている」というが、息子はこの客とけんかになってしまった。

父親の長青さんは二日前、売値を11.5元(約185円)から11.3元(約182円)に値下げしていたのだが、凡森さんは知らされていなかった。

「値段を知らないのなら、電話で聞けばいいじゃあないか。こんな簡単なこともできないなんて…」。父親はその場で息子を怒鳴りつけ、引っ張って家まで帰って行った。

凡森さんは、怒りで顔色が赤黒くなり、大きな声で「俺は間違っていない、何で俺をとがめるのか?」と怒鳴り返した。

父親は、息子を指さしながらほえ始め、息子は父親を押し返した。二人は互いにもみ合い、本格的なけんかに。数分後に周囲の人々によって引き離されるまで、このけんかは続いた。

少年の妹は、兄が市場に戻ってきた後、地面に座りながら涙を流すのを見ていた。兄はまもなく立ち上がり、倉庫に入っていき、追いかけて行った妹が目にしたのは、緑色の液体が三分の一ほど入った瓶を手に持つ兄の姿だった。

父親が駆け付けるとただちに息子を電動リヤカーに乗せ、病院の救急センターに運び込んだ。緊急処置で行われた胃洗浄により、少年はその日食べた夕食の焼きそばと卵5個をすべて吐き出した。

「喉と内臓が燃えるようだよ、農薬を飲んで後悔してるよ」。父親に向かって言った。

両親は息子のそばを離れず看病し、8月4日昼、息子を山東大学斉魯医院に転院させた。同病院での診断は、「少なくとも30~40ミリの農薬原液を飲んでおり、重度の中毒」。腎臓と肺の機能障害が悪化し、尿毒症となっているほか、複数の併発症も起こしていた。

「俺の命は、大丈夫なのかな?」。少年は、病床で付き添う両親に尋ねる。「必ず治る、金は工面するから心配するな」と父親が答える。

「一時の衝動で、バカなことをしたものだ」。少年は顔を反対側にそむけ、ため息をついた。


「殺魚弟」として有名になったころの画像


現在入院中の凡森さん


看病に来た家族

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