【14億分の1:中国事件簿】「殺魚弟」の真実の人生(中) 見事な包丁さばきと鋭い視線、10歳で一躍有名人に

出典:東方新報 掲載時間:2018-08-22
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魚をさばくことが上手な「殺魚弟(訳:魚屋少年)」として中国のインターネットで有名だった孟凡森(Meng Fansen)さん(18)は7月31日午後6時ごろ、家族と激しいけんかの5分後、劇毒の除草剤「百草枯」を飲み込んだ。

一時は重度の中毒に苦しんでいたが、病院で手当てを受けた結果、容体は快方に向かっているという。


■働く姿が話題に、議論も呼ぶ

2010年の冬休み。10歳だった「殺魚弟」こと凡森さんはジャージを着て野球帽をかぶり、店を手伝っていた。客の希望を聞いて水槽から魚を選び、さばき、勘定をする。その動きは巧みで速い。ある客が少年に興味を持ち、動画を撮影してインターネットにアップした。

動画の中の少年は、眉をしかめ、目をカッと見開き、汚水とうろこにまみれた店の中で、客の手から10センチほどの魚を受け取ると地面に叩き付け、その返しでセメント台に載せ作業を始める。

厳しい表情で黙々と、巧みに包丁を使ってうろこを取り、魚の腹を割って臓物を取り出し、清水で洗ってポリ袋に入れ「7元1角です」。わずか10数秒だ。

この動画は、ネットユーザーの激しい議論を引き起こした。「この子は賢く手を動かすのも早い」と誉めるユーザーもいれば、「こんな小さな子どもが学校に行かなくても良いのか?」「両手が寒さで赤く腫れているが、けがをしないか」と反対意見の人が大多数だった。微博(ウェイボー、Weibo)では「魚屋少年を金儲けのツールにさせてはならない」といった話題で盛り上がった。

賛否両論の声が四方から沸き起こり、一時はネット世論の「人気者」に。人々の好奇心は、ニックネームとしてつけられた「殺魚弟」へと凝縮されていった。


■「父ちゃん母ちゃんが悪いんじゃない」涙流し抗議

動画で有名になると、市場の看板屋が進んで、少年の父親のために赤地に白抜きの「殺魚弟水産」の看板を作ってくれた。その横には少年の笑顔の写真を張り付けた。

赤い看板に、足を止める客が明らかに増えたと父親は言う。「あんたのところの子どもはあの有名な「『殺魚弟』なんだろ?」と聞く客も多い。父親は、息子が有名になったことと自分の商売を無意識のうちに結び付けるようになったと振り返った。

その後、ブームがやや遠のいた2011年に、孟さん親子はテレビ局「東方衛視(Dragon Television)」の番組「おやじ頑張れ」にゲスト出演した。

父親はなぜ息子に魚をさばく仕事をを手伝わせるのかという問いかけに対し、11歳の凡森さんがテレビカメラに向かって涙を流しながら、「父ちゃんと母ちゃんが毎日忙しく働いていて、傷だらけの手を見て、自分も何か手伝いたいと自ら思うようになった。魚をさばくようになったのは、父ちゃん母ちゃんが悪いんじゃない」と言った。

しかし、少年は終始、「殺魚弟」の呼び名を受け入れることは無かった。「見ず知らずの人が、なぜ俺のことを論議するのか ?他人が好奇心で自分の一挙一動を注視することに、反感やプレッシャーを感じた」という。


「殺魚弟」として有名になったころの画像


現在入院中の凡森さん


看病に来た家族

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