2025年四川省科学技術工作会議が3月10日、四川省(Sichuan)成都市(Chengdu)で開催された。会議では、2024年の四川省における人工知能(AI)産業の規模が1300億元(約2兆6393億円)を突破し、前年比25パーセント成長したことが明らかにされた。また、2025年には一定規模以上のハイテク産業の営業収入が2兆600億元(約41兆8225億円)に達し、3パーセント以上の成長が見込まれている。
会議では、四川省の科学技術イノベーション分野における新たな成果も紹介された。2024年の全省での科学技術成果登録件数は4910件となり、技術契約の成約額は2607億元(約5兆2928億円)を超え、それぞれ前年比20パーセント、33.6パーセントの増加となった。国家ハイテク企業の総数は1万8200社、科技型中小企業は2万4000社、急成長企業は312社に達している。
また、四川省のイノベーションプラットフォームも国際的に注目を集めている。錦屏深地実験室は国際的に最も高感度の暗黒物質関連実験結果を発表し、天府絳渓実験室の量子技術研究成果は2件の国際賞を受賞した。さらに、世界初のAI大規模モデル科学衛星が打ち上げられ軌道投入に成功するなど、「世界クラスの答え」を次々に生み出している。
四川省成都市で開催された2025年四川省科学技術工作会議(2025年3月10日撮影、資料写真)。(c)CNS/範穎
こうした技術革新が四川の経済構造を大きく変えつつある。会議によると、一定規模以上の科学技術情報サービス業の営業収入は6400億元に達し、前年比8.7パーセント増となった。ハイテク産業の営業収入は2兆元を超え、工業全体に占める比率は40.9パーセントに上昇している。
四川省では科学技術分野の対外協力も着実に進んでいる。成渝地域の「一帯一路(Belt and Road)」国際技術移転センターや、中国・キューバ脳科学「一帯一路」共同実験室の設立に加え、省レベルの国際科学技術協力基地が新たに8か所設けられた。また、科技イノベーションの生態系整備も進み、50億元(約1015億1100万円)規模の科技成果転化総合基金が設立されたほか、省科学技術表彰制度の改訂、国家レベルの科学技術人材評価改革モデル事業の推進なども行われている。
2025年に向けた四川の科学技術イノベーション戦略は、イノベーションの源泉機能の強化、成果の応用促進、革新主体の育成拡大、対外協力の深化に重点を置いている。目標としては、年間科学技術成果の登録件数5400件以上、産業用試作・研究開発プラットフォーム20か所以上の整備、技術契約成約額2850億元(約5兆7861億円)以上、科技情報サービス業の売上6800億元(約13兆8055億円)以上を掲げている。
また、科技型中小企業を2000社以上、新たなハイテク企業を1000社以上、急成長企業を50社以上増やす計画だ。四川・重慶科技協力プロジェクトは50件以上を実施し、さらなる地域間連携によって多くのプロジェクトや研究機関の四川誘致を進めていく方針だ。(c)東方新報