中国の伝統文化において、龍は権力、尊厳、吉祥を象徴する高貴な存在だ。中国のイメージの代表として、龍は十二干支(えと)の中でも常に人気がある。2024年は甲辰(龍)年で、旧正月が近づいているため、中国の消費者は龍にちなむ商品の購入に熱心で、干支経済が盛り上がっている。
最近、辰年の記念紙幣と切手が相次いで発売された。「龍の紙幣」が発売されたとき、中国の多くの銀行のオンライン予約システムはアクセス過多でダウンし、実店舗でも長蛇の列ができ、SNSで話題になった。
辰年の春節が近づくにつれ、上海のレゴのおもちゃ店では、顧客を引きつけるために飾られている中国の龍のオブジェ(2024年2月3日撮影、資料写真)。(c)CNS/陳玉宇
中国郵政集団(China Post Group)が発売した甲辰(龍)年の切手も人気を博している。切手は2枚1組で、デザインはそれぞれ「天龍行健」と「辰龍献瑞」だ。切手の発行量は約3000万枚だが、それでも供給が追いつかなくなった。そのため、「龍の切手」は二次市場で顕著なプレミアムがつき、額面38.4元(約802円)の大判切手の電子商取引(EC)の価格は200元(約4178円)を超えている。
中国の名酒、貴州茅台酒(Kweichow Moutai)が発売した辰年限定版の干支茅台は、同様に大人気だ。茅台のデジタルマーケティングプラットフォームでは、「龍茅」の初日の申し込み者数が延べ850万人を超えた。定価が2499元(約5万2214円)の「龍茅」は、最高で8000元(約16万7154円)近くまで値上がりし、その人気ぶりがうかがえる。
「龍の紙幣」「龍の切手」「龍茅」に比べ、龍にちなむ文化クリエイティブ関連商品はより広範な層に受け入れられるようになり、特に若者たちに愛されている。中国のECプラットフォーム、拼多多(Pinduoduo)のデータによれば、1月初旬から、一部の龍にちなむ関連商品の注文量は同期比で10倍以上増となった。辰年の福字対聯、新年のカレンダー、龍の赤ちゃんのぬいぐるみ、辰年の赤い下着や靴下、中国結びの飾りが、ECプラットフォームで最も売れ筋の新年の商品となっている。
注目すべきは、伝統的な凛々しい龍のイメージと比べ、中国の消費者は擬人化や漫画化された龍をより好む傾向にある。特に、愛らしい龍の赤ちゃんは若者に大人気で、関連商品の売り上げも好調だ。
干支経済が盛り上がる中、海外ブランドや新たな消費ブランドも参加している。大人気のディズニー(Disney)IPキャラクター、リーナ・ベル(LinaBell)は龍の尾を持つようになり、龍の頭の帽子をかぶったダッフィー(Duffy)も現れた。日本の化粧品ブランド、シュウウエムラ(shu uemura)は辰年限定の化粧品を発売し、「龍女色」の口紅が大人気だ。レゴ(Lego)公式旗艦店は天猫(Tmall)限定の「一匹の龍」新春ギフトセットを発売したが、すぐに完売になり、中古市場では数百元(100元が約2089円)のプレミアムがついている。(c)CNS/JCM