最近開催された中非協力フォーラム首脳会議では、中国・雲南省(Yunnan)産のコーヒーがアフリカのゲストたちに大変好評を博した。2023年、中国はアメリカを超え、世界で最も多くのブランドコーヒーチェーンが展開されている国となり、中国の一人当たりコーヒー消費量は2010年から2022年の間で3倍に増加した。アフリカ大陸発祥で欧米諸国で人気を博したコーヒーが、どのように中国で根付き、発展してきたのか。また、中国のコーヒー産業が世界のコーヒーサプライチェーンや文化交流にどのような影響を与えたのかを探る。
雲南大学(Yunnan University)農学部の副教授である何飛飛(%%He Feifei%%)氏によれば、近代以降、コーヒーの産業化と流通は経済発展に強力な推進力をもたらすだけでなく、各国間の人の移動や文化交流を促進してきたという。コーヒーの産業チェーンは非常に長く、それに伴い、従事者、技術基準、発展理念などが国境を越えて流動している。たとえば、より高品質なコーヒー豆を求めて各地を訪れる「豆探し職人」という専門職も登場している。さらに、コーヒーハウスは社交の場としての役割も果たしており、ローマの「アンティコ・カフェ・グレコ(Antico CaffeGreco)」のように、かつてチャールズ・ディケンズ(Charles Dickens)やマーク・トウェイン(Mark Twain)などの文学巨匠たちが訪れたことで観光名所となっている。
「2024滇池東岸国際コーヒーカルチャーカーニバル」で、24都市と東南アジア諸国・地域から集まった100台のコーヒー車が滇池湖畔に集結し、来場者がコーヒー文化を楽しむ様子(2024年8月18日撮影、資料写真)。(c)CNS
中国では、コーヒー文化は産地と消費地で異なる特徴を見せている。主要なコーヒー産地である雲南省では、多様な民族文化が豊富で、コーヒーが日常生活に巧みに溶け込んでいる。たとえば、傣族の伝統家屋でコーヒーを楽しむ、花市や市場でコーヒーを購入する、コーヒーの葉や花を使った特別なコーヒー料理を味わうといった習慣がある。また、地元の食材である乳扇(乳製品の一種)や黒トリュフを取り入れた創作コーヒーも人気を集めている。
一方、上海市などの主要なコーヒー消費都市では、洗練された独立系コーヒーショップが多様に存在し、都会生活の象徴となっている。また、これらの店舗は中国伝統食材を取り入れた「新中華式」コーヒーを開発するなど、斬新な商品を次々に発表している。たとえば、茶や豆汁(北京の伝統的な飲み物)を加えたコーヒーは目を引く新商品として注目を集めている。中国におけるコーヒー文化の多様性は、中国人の包容力や異文化を取り入れる精神を反映しており、コーヒーに新たな魅力をもたらしている。
「2024昆山国際コーヒー産業展」が開幕。企業の代表から説明を受ける来場者(2024年5月16日撮影、資料写真)。(c)CNS
現在、中国は世界に向けて巨大なコーヒー消費市場を提供している。2023年の中国のコーヒー市場規模は約2654億元(約5兆6322億円)に達し、過去3年間の年平均成長率は17.14パーセントを記録している。2024年末には市場規模が3133億元(約6兆6488億円)に達すると予測されている。多くの海外のコーヒー生産国が中国市場に注目しており、たとえばブラジルは2022年に42.2万袋のコーヒーを中国に輸出し、2023年にはこの数字が150万袋にまで急増した。これはブラジルのコーヒー輸出史上、前例のない成長率である。
同時に、中国のコーヒー産業はプレミアム化の方向へと成長を続けており、産業チェーンの各段階で標準化と精密化が進み、国際競争力も着実に強化されている。現在、中国はエチオピアと協力して、コーヒー気候指数保険の設計や需要分析、政策効果評価に関する研究プロジェクトを進めており、その成果が世界中で活用されることが期待されている。(c)CNS/JCM