中日交流に寄り添う「吉祥の鳥」
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淡いピンクのドレス、羽のような飾り、足先には一点の赤。その優雅で軽やかな舞いとともに、演者によって表現されたのは「吉祥の鳥」として知られるトキの気品ある姿だった。


4月13日、大阪万博の開幕とともに中国館が正式にオープンしたこの日、日本国内を巡回公演中の中国舞踊劇『朱鷺』の一部が、現地での連動イベントとして披露された。


「うれしいよ。この『吉祥の鳥』が、これからも日中の架け橋であり続けてくれることが。」全国政治協商会議常務委員で外事委員会のメンバーでもある戸思社(Hu Sishe)氏は、記者にそう語った。十数年前、彼はこの舞台の企画立案を推進し、日本公演の実現にも尽力した。


この舞台作品は、トキと人間との共生関係を描いており、大阪万博の中国館が掲げるテーマ「人と自然の生命共同体の共創——緑の発展をめざす未来社会」と見事に呼応している。


実のところ、『朱鷺』と万博との縁は浅くない。2010年の上海万博の際、日本館で展示されていたトキの保護活動の物語にインスピレーションを受けた創作チームが、その後4年をかけて練り上げたのがこの作品だった。


戸思社氏は回想する。2014年10月の日本での初演を皮切りに、商業公演は連日満席となり、そして今回の大阪万博での出演に至るまで、無数の日本人観客がこの舞台に心を動かされてきた。涙を流す人もいれば、「また来てくれますか」と尋ねる人もおり、中にはこの作品を「中国の白鳥の湖」と呼ぶ人もいた。


中国国内の多くの観客は、2021年の中央テレビ局の春節(旧正月、Lunar New Year)特別番組(春晩)を通じて初めて『朱鷺』を目にし、その美しさに息を呑んだ。「一コマ一コマが絵のようだ」と称賛され、「朱鷺」というワードがネット検索で急上昇した。


新潟県の佐渡トキ保護センターで暮らす中国トキの子孫たち(2007年4月12日撮影、資料写真)。(c)CNS/王健


戸思社氏は、『朱鷺』がここまで歓迎される理由について、中日間の文化的な共感があるからこそだと語る。両国は互いの文化を理解し合い、共に学び合ってきた。そのことが、かつて共に経験した「美しい記憶」を呼び起こしているのだという。


トキは、古来より日本では「聖なる鳥」とされ、中国では「吉祥と幸福の象徴」として大切にされてきた。今では中日両国において「吉祥の鳥」として広く認識されている。


記録によれば、かつてトキは東アジア全域に広く分布していたが、環境汚染や乱獲などの影響で絶滅の危機に瀕した。1981年、中国・陝西省(Shaanxi)洋県で野生のトキ7羽が発見され、1985年には日本が中国から1羽の雄のトキを借り受けた。


このときから、中日によるトキの保護協力はすでに40年にわたって続いている。多くの日本の政治関係者たちが、トキを「日中友好の象徴」と位置づけてきた。


日本におけるトキの保護・繁殖の中心地は新潟県であり、これを記念して中国駐新潟総領事館は「日中トキ保護協力40周年記念写真展」を開催した。舞踊劇『朱鷺』も4月初旬、新潟で公演を行った。


北京動物園(Beijing Zoo)の種群管理課課長・鄭常明(Zheng Changming)氏の執筆によると、日本国内の最後の純粋な日本原産トキは2003年に死に、現在日本で生きている約700羽のトキはすべて中国由来の血統だという。その背景には、1999年に中国が贈呈したペアのトキ「友友(ヨウヨウ、You You)」と「洋洋(ヤンヤン、Yang Yang)」の存在がある。彼らが繁殖に成功し、命をつないできたのだ。


その後も中国は、群れの再建を後押しするために何度もトキを日本に贈り、日本は中国の繁殖技術を参考にしつつ、覚書に基づいて繁殖したトキの子孫を中国に返還してきた。


鄭常明氏によれば、2024年10月末に日本から返還された16羽のトキの子孫はすでに北京動物園に安住しているという。


この春、運が良ければ、北京動物園を訪れた人びとは、トキ飼育エリアで、この静けさを愛する「吉祥の鳥」たちの姿を遠くから見ることができるかもしれない。


「トキの保護という難題を、中日が協力して乗り越えたことは、他の共通課題に向き合う自信にもつながる。たとえば気候変動問題や経済・貿易の壁などだ」と戸思社氏は語る。彼は、中日両国がトキという共通の象徴を掘り下げ、舞台芸術から音楽、映画、学術シンポジウムへと広げ、文化交流や生態系保護から経済協力にまで展開していくことを願っている。そして、この「吉祥の鳥」が、今後も中日の交流の空に自由に舞う存在となることを心から願っている。(c)CNS/JCM

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