AI玩具が若者に人気 癒やし経済に新風
时间:1747962124000 来源:CNSニュース

「AI玩具を作って海外に売りたい。今がチャンス、将来性はかなりあるはず」――中国の動画SNS「抖音(Douyin)」やライフスタイル系SNS「小紅書(Red)」などで「AI玩具」の投稿を開けば、コメント欄にはこうした思いを語る若者たちの声が数多く見られる。


今年に入り、中国では「AI+」という概念が社会全体に広まり、それが伝統的な玩具市場にも新たな活力をもたらしている。各種のテクノロジー展示会では、AI技術と製品が密接に結びついて展示されており、とりわけAI玩具に関するブースは来場者の注目を集めている。AI玩具は今、中国の若者たちの間でまさに「引っ張りだこ」の存在だ。


北京・京張鉄道遺跡公園広場で開催された「触界・未来朋友圈」テクノロジーカーニバルで、AI玩具に夢中になる子どもたちの姿(2025年5月2日撮影、資料写真)。(c)CNS.張祥毅


「若者たちの玩具は、昨年大流行した『ジェリーキャット(Jellycat)』から、『自分で話し出す』AI玩具に移り変わっている」と語るのは、浙江省(Zhejiang)義烏市(Yiwu)で早くからAI玩具の可能性に目をつけた玩具業者・李成(Li Cheng)氏だ。彼は「AI玩具には儲けがない」「ただの話題先行」と言う人もいるが、「最初に『カニを食べた』者として、自分はすでにその甘さを味わっている」(※中国語で「最初に未知のことに挑んだ人」を指す比喩表現)と語る。


同じく浙江省で玩具の製造・販売に関わる徐霖(Xu Lin)氏は、会社のライブ配信で1日あたり約7000件の注文を受け、そのうち約6万ドル(約865万5000円)が海外からの売上だったと話す。「今のやや低調な玩具市場の中では、かなり良い数字だ」と評価する。


現在、中国で販売されている代表的なAI玩具は、ぬいぐるみと音声対話機能付きのボイスモジュールを組み合わせた構造が主流だ。たとえば、首にかけるネックレスタイプの小型装置をぬいぐるみに装着し、内蔵されたWi-Fiモジュールを通じて、大規模言語モデルとの音声会話を可能にする。


李成氏によれば、現在のAI玩具ユーザーは「音声対話」に大きな価値を感じ、価格に上乗せされていても購入を選んでいるという。音声会話の質が商品の成否を大きく左右する。徐霖氏は、「大規模言語モデルを活用した対話能力に基づき、「感情テクノロジー」という新たな分野を切り開くことが、より長期的な市場形成につながる」と見ている。


AI玩具は、かつてのオフライン型音声機能からオンライン対話、さらに大規模言語モデルの搭載へと進化しつつあり、その知能化・対話性・遊びの幅も日増しに高まっている。業界には次々と新興企業が参入し、斬新な製品が登場している。この分野が一部の愛好家向けにとどまらず、一般消費市場に広がりつつあるのは、製品が「人の心に寄り添う」性質を備えているからでもある。


たとえば、字節跳動(バイトダンス、ByteDance)が開発したAI搭載のぬいぐるみ「顕眼包(Xian Yan Bao)」は、元々は非売品のノベルティだったが、中国国内で人気の同社開発AI「豆包(Dou Bao)」を搭載して会話が可能なことから、二次流通市場では一時500元(約9990円)もの価格で取引される高級品となった。


一方で、AI玩具は現在の「癒やし経済」にも合致している。たとえば、ある中国企業のAI玩具はASMR音声を組み込んでおり、働く人たちのストレス解消を狙った設計となっている。また、AIペット玩具にリマインド機能を持たせれば、若者の「ペット飼いたい」欲求に応えるだけでなく、高齢者の孤独解消にも応用できる。ターゲット層や利用シーンに応じて、きめ細かいデザインが行われている。


AI玩具の本質は、派手な技術ではなく「温かみのある感情的なつながり」を生み出すことだと専門家は指摘する。ストレスの多い社会環境の中で、独身者の増加、高齢化の進行、育児の負担増が進む今、生成AIと大規模言語モデルの発展は、初めて玩具に「人間の意図を理解する力」を与えた。


AI大規模モデルの性能が進化し続けるなかで、今後は会話力、質問応答力、さらには感情面でのケアの力も、オンラインからオフラインへと移っていく。AI玩具は、AIの実体化された「形ある存在」として、玩具市場の中でより大きな存在感を示すようになるだろう。(c)CNS/JCM

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