カンボジア王室の王女ジェナ、歌と笑顔でつなぐ中国との友情
时间:1753331049000 来源:CNSニュース

4月中旬、カンボジアはまだ雨季を迎えていなかった。カンボジアのジェナ・ノロドム(Jenna Norodom)王女は白いブラウスに緑のスカートを身にまとい、手にはジャスミンの花輪を携えて中国の指導者を出迎えた。カメラの前で流ちょうな中国語を話し、「ようこそカンボジアへ」と語りかけた。


中国の最高指導者によるカンボジア訪問に際し、多くの注目がこのインドシナ半島の国に集まるなか、ジェナ王女は特に話題となった人物のひとりとなった。


「中国でイベントに参加すると、たくさんの中国の方々が『また来てね』と声をかけてくれたり、SNSで励ましのメッセージを送ってくれたりするんです。とても感動しました。だからこそ、もっと中国語を勉強して中国を知りたいと思っています」と、ジェナ王女は中国新聞社(CNS)のインタビューで語った。


カンボジアの首都プノンペンで開催された「金色の約束——2024年中国・カンボジア人文交流年」特別公演で、曲を披露するジェナ王女=2024年12月15日撮影・資料写真(c)CNS/項薪宇


■「沂蒙山小調」


「青い山、緑の水、なんてきれい。風が草を揺らせば、牛や羊が見える…」


カンボジア・プノンペンで開かれた中国・カンボジア文化交流イベントで、ジェナ王女は中国・山東省(Shandong)の民謡「沂蒙山小調」を披露した。この歌に含まれる独特の発音や「r音」は外国人には難易度が高いとされるが、彼女は軽やかに歌いこなし、聴衆から盛大な拍手が送られた。


ジェナ王女は2012年3月11日にフランス・パリで生まれた。その外祖父は中国でも広く知られるノロドム・シハヌーク(Norodom Sihanouk)元国王である。


幼い頃から舞踊と音楽を学び、まだ13歳ながら、舞台での姿勢や立ち居振る舞いは堂々としており、重要な場面でもまったく臆することがない。


2020年に家族とともに初めて中国を訪れて以来、ジェナ王女はたびたび中国を訪れるようになった。文化交流イベントに参加する一方で、滞在を重ねるなかで、中国の暮らしや文化を肌で感じてきた。


インタビューで好きな中国料理を尋ねられると、「山東省煙台市(Yantai)の海腸(ユムシ)入り炊き込みご飯や、北京ダック」と答えるなど、なかなか通な一面も見せた。


いまやジェナ王女は中国のSNSでも人気を集めており、それは彼女が王室の一員であるからだけでなく、中国文化への深い敬意と愛情が人びとの共感を呼んでいるからだ。今年の国際女性デーには、彼女は中国の友人たちとともに漢服を身にまとい、伝統文化を楽しんだ。

「中国文化はとても豊かで力強く、音楽、食べ物、伝統行事に至るまで、学ぶことがたくさんあります」と彼女は語った。


■アンコールの道


アンコールは9世紀から15世紀に栄えたカンボジア・アンコール王朝の首都であり、同国文化の象徴である。


「寺院はジャングルの中にたたずみ、美しい壁画が今も残っていて、クメールの子孫たちの心をつなげている」――ジェナ王女は「アンコールの道」という歌を通じて、母国の歴史と文化を歌い上げる。歌詞はクメール語で綴られているため中国の聴衆には意味が分からないかもしれないが、彼女の表情や語り口からはメッセージが伝わってくる。


ジェナ王女は7歳の頃からステージに立ち、今ではカンボジア国内はもちろん、海外でも高い人気を誇る。自然な流れで、彼女はカンボジア文化を発信する存在となっていった。


歌手や俳優として、彼女は芸術を通じての交流を選んだ。「これまで中国の多くの歌手と一緒に活動してきました。リハーサルでも本番でもお互いに学び合いながら距離を縮めていけるところが、とても良い点だと思っています」。


彼女のSNSには、さまざまな民族衣装を着た姿や、カンボジアのアプサラダンス、祈願の舞、武術「ライオン拳」、クメール古典舞踊などを紹介する動画が並び、文化的な情報発信をスタイリッシュにこなしている。


大晦日にはカンボジア王宮前で「アンコールの道」を歌い、「またこの国とともに新しい一年を迎えた」とつぶやいた。


今年1月には、アンコール遺跡群をモチーフにしたドレスを着た写真をSNSに投稿。そのドレスは複雑な造りで、上半身には青いクリスタルがぎっしりとあしらわれていた。中国のフォロワーからはその美しさを称賛する声が多く寄せられたが、塔の尖塔のようなデザインが肌に当たって赤くなっていた様子を冗談交じりにコメントする人もいた。こうした瞬間にこそ、歴史が生きたものとしてよみがえる。


■中国への想い


「あなたは偉大な国で、少しも傲慢ではなく、誰に対しても礼儀正しく、大小を問わず平等に接する…カンボジアの人びとはあなたの永遠の友人です」――これは、かつてシハヌーク元国王が作詞作曲した「中国への想い」という歌であり、ジェナが中国でよく歌っている一曲でもある。


1958年、カンボジアは多くの困難を乗り越えて中国と国交を結び、シアヌーク元国王はその後40年近くを中国で過ごした。中国を「第二の故郷」と語った彼の思いは、ジェナ王女にも受け継がれている。


数日前の中国指導者歓迎の場でも、ジェナ王女はこの歌を披露し、その歌声は特別な意味を持って響いた。


「中国・カンボジア両国の文化交流はここ数年でさらに活発になっていると感じます。カンボジアでは若者たちが積極的に中国語を学び始め、中国からの観光客も増えています。両国の関係はますます親密になり、交流も面白さを増しています」と語る。


昨年9月には、中国語の歌「いっしょにHiと言おう」をリリース。歌詞には多言語のあいさつが織り込まれ、異なる国や地域の人びとの友情を表現している。その翌月には、チベット自治区(Tibet Autonomous Region)のエベレストの麓で、現地の少年合唱団とともにこの曲を歌った。青空のもと、カンボジアとチベットの民族衣装がともに鮮やかに映えていた。


「私は中国に来て文化を紹介する参加者であるだけでなく、両国の文化交流を推進する存在になりたい」とジェナ王女は語る。「これからもさまざまな方法で、お互いの文化をもっと気軽に知り合えるようにしたい。私の活動を通して、もっと多くの人に中国・カンボジアの文化交流に興味を持ってもらえたらうれしいです」。


建交以来、中国とカンボジアは数々の歳月と困難を共に乗り越え、深い絆と豊かな歴史を築いてきた。その中には、壮大な歴史だけでなく、ジェナ王女が手にしていた一輪のジャスミンの花にも、その物語の一端が込められている。

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