【三里河中国経済観察】生態環境法典、「美しい中国」とより良い暮らしを守る
时间:1787801652000 来源:CNSニュース

眠りたいのに、広場ダンスの騒音が気になって落ち着かない。窓を開けたいのに、階下の焼き肉店から出る油煙が鼻をつく――。こうした身近な悩みに対応する法典が、いま中国で施行されている。

生態環境の名を冠した世界初の法典「中華人民共和国生態環境法典」が8月15日から正式に施行された。中国で「法典」と名付けられた法律としては2例目となる。


生態環境の名を冠した世界初の法典「中華人民共和国生態環境法典」=提供写真(c)CNS


ここで疑問に思う人もいるかもしれない。一つの法典が、なぜ広場ダンスや焼き肉店と関係するのだろうか。そこに、この法律が人びとの暮らしを重視する姿勢が表れている。生態系保護という大きな課題を扱い、法の力で「美しい中国」の建設を支える一方、人びとの身近な問題にも対応し、国民の健康と生態環境に関する権益を守る。

これまで騒音や油煙などの問題が発生した際、住民が苦情を申し立てても、関係機関の間でたらい回しにされることがあった。しかし、生態環境法典はこうした問題について責任の所在を明確にした。

例えば広場ダンスの騒音について、法典は各方面の責任を強化し、地域の住民自治組織や管理組合、マンションなどの管理事業者に対し、速やかに制止するよう求めている。改善に応じない場合、個人には最高1000元(約2万3675円)、団体には最高2万元(約47万3508円)の罰金を科すことも明記した。

飲食店の油煙についても、出店場所などに関する要件を追加し、住宅建物内で油煙を発生させる飲食店を営業することを禁止した。改善に応じない場合は最高10万元(約236万7540円)の罰金を科し、油煙汚染への対応を事後的な対策から発生源での予防へと転換する。

従来からある問題への対応だけではない。これまで法的な根拠が十分になかった新たな環境問題についてもルールを定めた。その一つが光害だ。一部の都市では、建物のガラス張りの外壁や大型広告スクリーンから発せられる強い光が問題となっていたが、苦情を申し立てようとしても明確な法的根拠がなかった。生態環境法典は光害の定義を明確にするとともに、広告スクリーンや看板などについて、光害を防止・軽減するための有効な措置を講じるよう規定。改善に応じない場合、最高5万元(約118万3770円)の罰金を科す。

「美しい中国」とより良い暮らしを守るには、法律による強い抑止力も欠かせない。法典は最も厳格な制度と法治によって生態環境を保護する方針を掲げ、違法行為に厳しく対応する。例えば近年、生態環境のモニタリングデータ改ざんが相次いで明らかになっている。法典は、モニタリングデータの改ざんや捏造に対して厳しい処罰を科すとし、罰金は最高200万元(約4735万800円)に達する。

注目されるのは、生態環境法典に「グリーン・低炭素発展編」が設けられたことだ。これは世界の環境法典編纂の歴史においても大きな革新とされる。

これまで環境保護といえば、「汚染しない」「破壊しない」といった問題を防ぐ側面が中心だった。しかし「グリーン・低炭素発展編」では、循環型経済、クリーン生産、グリーン消費、省エネルギーに加え、カーボンピークアウトとカーボンニュートラルの目標についても法律に盛り込んだ。

これにより法的な拘束力を持たせ、経済・社会全体のグリーン・低炭素型への転換を促し、持続可能な発展を目指す。つまり、生態環境法典は単なる「汚染を規制する法律」ではなく、「発展のあり方を定める法律」でもある。すべての人や企業に対し、グリーン発展は選択肢ではなく、必ず取り組まなければならない課題であることを示している。

16万字余り、全1242条。一つ一つの条文が大きな意味と力を持つ。生態環境法典は、一方で人びとの日々の暮らしと結びつき、身近な環境問題の解決を図り、もう一方では豊かな自然を守るという国家のビジョンにつながり、生態環境の持続可能な発展を支えている。

「美しい中国」は遠いところにあるのではない。私たちの身近な空気や静けさ、日々の暮らしの中にある。豊かな自然をいつまでも守り続ける――それが、この法典が一人一人にもたらす安心である。

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