中国のティードリンクブランド「茶百道(ChaPanda)」が、ヨーロッパで初めての店舗を現地時間2月14日にスペイン・バルセロナで正式オープンした。開店初日から大盛況となり、SNSでは「バレンタインデーに1時間並んでやっと買えた!でも雰囲気が良くて楽しかった」といった投稿が相次いだ。開業当日は、バルセロナ限定のマグネットやパンダをモチーフにしたキャンバスバッグなどのプレゼントが当たるスクラッチイベントが行われ、現地の消費者や観光客の関心を集めた。
バルセロナ店は試験営業期間中に中国の春節(旧正月、Lunar New Year)と重なり、観光客の増加や現地での春節関連イベントの影響もあり、高い注目を集めていた。
現在、同店では茶百道の定番メニューであるマンゴー、グレープフルーツ、ココナッツミルク、タピオカなどを組み合わせたフルーティーなデザート「楊枝甘露」「豆乳玉麒麟」「看板タロイモ団子ミルクティー」などが提供されている。茶百道の関係者によると、「楊枝甘露」は同ブランドの海外市場における主力商品となっており、昨年海外初店舗を開店して以来、累計14万杯以上が販売された。バルセロナ店では試験営業から正式オープンまでの間、「楊枝甘露」「看板タロイモ団子ミルクティー」「豆乳玉麒麟」「黄金ココナッツウーロン」が人気で、売上全体の約50パーセントを占めている。
スペイン・バルセロナで開店した茶百道(提供写真)。(c)CNS
また、現地の消費者の嗜好や食文化に合わせた商品開発も行われ、バルセロナ店限定で「抹茶黒糖タピオカミルクティー」が登場。この新メニューは多くの現地顧客から高評価を得ている。
茶百道のヨーロッパ初店舗は、バルセロナの観光名所である凱旋門の近くに位置し、アクセスが良く、周辺には商業施設が多く集まっている。こうした恵まれた立地条件により、開店初日から多くの地元住民や観光客の注目を集め、市場開拓の大きな一歩となった。
開業前からすでに現地では茶百道の進出が話題となり、SNSでは「いつオープンするの?」といった投稿が見られ、店舗前で写真を撮る人びとの姿もあった。試験営業期間中には、メンバー登録をすると全商品が15パーセント引きになるキャンペーンを実施し、多くの消費者が足を運んだ。
茶百道がヨーロッパ初店舗の進出地としてイギリスやフランスではなくスペインを選んだ背景には、明確な海外戦略がある。
茶百道は海外展開を進める際、単に多くの国へ進出するのではなく、重点市場を絞り込み、その地域で複数店舗を展開してブランドの存在感を高める方針を採っている。現在のスペインの茶飲市場は、依然として台湾式ミルクティーが主流で、新式茶飲ブランドにとっては参入の好機だと判断された。
事前調査の結果、スペインをヨーロッパ市場開拓の第一歩とすることで、現地ニーズに合った商品開発や店舗モデルの確立が可能になり、今後の欧州市場でのさらなる成長につながると見込まれている。
業界の専門家によると、近年ヨーロッパにおける現地製造の茶飲市場は急成長しているものの、依然として発展途上であり、大きな成長の余地があるという。また、ヨーロッパの主要国では一人当たりの消費力が高く、都市部には歩行者向けの商業エリアが発達しているため、茶飲ブランドの店舗展開には理想的な環境が整っている。
今回、茶百道がスペインを皮切りにヨーロッパ市場へ進出したことは、同ブランドにとって重要なマイルストーンとなるだけでなく、中国の新式茶飲ブランドが欧州市場に進出する際の貴重な事例としても注目されている。(c)東方新報