香港ディズニーランド・リゾート(Hong Kong Disneyland Resort、以下香港ディズニー)が、10年ぶりに黒字を達成した。2月25日に発表された2024年度の業績報告によると、香港ディズニーは純利益8億3800万香港ドル(約160億5071万円)を記録し、2005年の開園以来最高の業績を達成した。来園者数も過去最高の770万人に達し、特に海外からの来園者が前年から100パーセント以上増加した。これは香港ディズニーが10年ぶりに黒字を計上したことを意味する。業績の回復を背景に、香港ディズニーは新エリアや新しい体験を次々に導入し、市場シェアの拡大を目指している。
2024年度の業績報告によると、香港ディズニーの純利益は8億3800万香港ドル、収入は88億香港ドル(約1685億5168万円)で前年同期比54パーセント増となった。金利・税金・償却前利益(EBITDA)は14億香港ドル(約268億1504万円)増加して23億香港ドル(約440億5328万円)となった。純利益、収入、EBITDAのすべての指標が2005年の開園以来の最高記録を達成している。
ント、その他の地域からの来園者が22パーセントを占めている。特に、海外からの来園者数は前年比108パーセント増加した。香港ディズニー側は、訪問者数の増加は、中国本土およびその他の市場からの観光需要が強く、地元の来園者数も引き続き増加しているためだと分析している。
香港ディズニーランドで行われたパレードで写真撮る来場者たち(2024年1月25日撮影、資料写真)。(c)CNS/李志華
香港ディズニーは2024年度に10年ぶりの黒字転換を果たした。2015年から連続赤字が続いていたが、2023年度には売上高が57億香港ドル(約1091億7552万円、前年比156パーセント増)となり、純損失も3億5600万香港ドル(約68億1868万円)まで縮小した。このとき、香港ディズニーランド・リゾートの最高経営責任者(CEO)であるマイケル・モリアーティ(MichaelMoriarty)氏は、2024年第1四半期が開園以来最高の業績を記録したと述べていた。
香港ディズニーは業績が低迷していた間も、新エリアの導入に注力してきた。2023年11月には、世界初ので『アナと雪の女王(Frozen)』テーマエリアを開園し、世界中からの観光客を引きつけた。さらに、今後は新しいマーベルテーマエリアの拡張計画も発表している。これにより、香港ディズニーはマーベル(Marvel)ヒーローの世界観をさらに拡大し、競争力を高めようとしている。
香港ディズニーが黒字転換を果たした背景には、観光業の急速な回復がある。訪問者数の増加により、園内消費も活発化し、業績回復を後押しした。また、新エリアや新しい体験を提供することで、リピーターを呼び込み、新規顧客の獲得にも成功した。さらに、国際観光の回復に伴い、多くの海外観光客が香港ディズニーを訪れるようになったことも、黒字転換に寄与している。
しかし、今後の課題もある。粤港澳大湾区(広東・香港・マカオグレーターベイエリア、Guangdong-Hong Kong-Macau Greater Bay Area)に新しいテーマパークが続々と登場しており、激しい競争が予想される。また、規模がより大きい上海ディズニーランド(Shanghai Disney Land)が競争相手となっている。中国テーマパーク研究院の林煥傑院長は、香港ディズニーが競争力を維持するためには、プロモーションを行い、平日の入場者数を増やして収益を確保し、リピーターを増やす施策を講じることが必要だと指摘している。(c)東方新報