ロケット観光が文昌の宿泊需要を活性化
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中国・海南省(Hainan)文昌市(Wenchang)のビーチで4月29日午前4時10分、北京市から訪れた大学生・李華(Li Hua、仮名)さんは、初めて目の前でロケット打ち上げを体験した。海霧の中、長征五号B(Long March5B)ロケットが轟音を上げながら空に舞い上がり、観客の歓声とともに夜空を照らした。


近年、ロケット発射の現地観覧や宇宙に関連した学習型旅行が新たな観光のスタイルとして注目を集めている。文昌市の民宿経営者によれば、発射のたびに宿泊予約はピークを迎え、特に夏の繁忙期にはおよそ1か月前には満室になるという。


李華さんは宇宙好きの大学生で、「連休前に時間が取れたので、急きょロケットを見に行こうと決めた」と語る。発射が延期される可能性もあるが、最近は天候による変更は少ないとのこと。当日、文昌は雨と霧に見舞われたものの、浜辺には数百人の観光客が詰めかけていた。


文昌航天発射場から打ち上げられた長征七号改運搬ロケット(2025年3月30日撮影、資料写真)。(c)CNS/駱雲飛


湖北省(Hubei)から訪れた小松(Xiao Song)さんも、子ども2人と共に3月末に文昌を訪れ、屋上からの視界が良いホテルに一泊600元(約1万1810円)以上で宿泊した。「天候は悪かったが、発射は予定通りで、子どもたちは夜遅くまでワクワクして待っていた。ロケットが雲を突き抜ける様子がとても印象的だった」と話す。夏休みには甘粛省(Gansu)酒泉市(Jiuquan)にも足を運び、砂漠での打ち上げを体験してみたいという。


中国本土には現在、酒泉市、太原市(Taiyuan)、西昌市(Xichang)、文昌市の4大衛星発射センターと海南商業航天発射場が存在し、それぞれ観光資源としても注目されている。なかでも酒泉は国家4A級観光地に指定されており、学習旅行のモデル地域にもなっている。打ち上げの観覧商品は980元(約1万9291円)から、宿泊を含めたパッケージは3380元〜3880元(約6万6534~7万6377円)で提供されている。


文昌の発射場が位置する龍楼鎮には50軒以上の民宿があり、2024年の来訪者は30万人を超え、観光収入は1億元(約19億6848万円)を突破。携程(%%Trip.com%%)によると、今年4月末から5月初めにかけて文昌のホテル予約は前月比160パーセント増、観光アクティビティの予約も75パーセント増加したという。


ロケットが見える高層住宅群「魯能山海天」周辺は観覧に最適な場所として知られており、200戸以上の部屋から発射が見渡せる。民宿経営者によれば、「打ち上げ前日には予約が集中し、特にロケットが見える部屋はすぐ埋まる。観光シーズンには2000元〜3000元(約3万9369~5万9054円)にまで価格が上がることもある」と話す。中には事前にロケット観覧の予定がなかった旅行者が現地で情報を知り、急きょ龍楼に足を運ぶケースも増えているという。


また、2024年11月には海南商業航天発射場で初の打ち上げが成功し、現在は月2回のペースで発射が行われている。これに伴い、親子連れを中心とした観光客の数も急増し、すでに今年だけで外国人観光客5組を受け入れたという。


宇宙観光が地域経済にもたらす効果は大きく、ホテルチェーンの進出や民宿の新設も進んでいる。発射に合わせた客室は、高級ホテルであれば6000元(約11万8108円)に達することもある。2月11日に文昌で行われた長征8号改(Long March8G)ロケットの春節(旧正月、Lunar New Year)初打ちでは、観覧客は4.5万人にのぼり、5月3日には10万人が淇水湾に集まり、宿泊客は3万人を超えた。


文昌市は現在、「航天観光の都」を目指し、テーマパークや観覧デッキ、科学普及施設などの整備を進めている。一方、甘粛省の酒泉市でも観光と宇宙学習が結びついており、2024年の学習旅行者は65万人、観光収入は38億元(約748億224万円)に達した。


北京連合大学(Beijing Union University)の張金山(Zhang Jinshan)研究員は、「中国の宇宙技術の発展により、宇宙×観光が新たなトレンドとなり、学習旅行や親子旅行市場の注目を集めている」と話す。北京第二外国語学院の谷慧敏(Gu Huimin)教授は、「ロケット発射は大量の観光客を呼び込み、文化創造商品の開発や販売といった関連産業も活性化する。米国のように観覧施設を常設すれば、経済波及効果は非常に大きい」と指摘している。(c)東方新報

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