ピールアパートフィルム再注目、価格は2万〜6万円に
时间:1747117694000 来源:東方新報

「1枚撮るたびに財布が痩せる」「1971年製の古いカメラに、数年前に期限切れのフィルム」「生産終了、撮れば撮るほど残りが減る」——近頃「撕拉片(ピールアパートフィルム)」が中国のSNSで急浮上している。


中新経緯(Economic View)によれば、中古市場では富士FP-100Cの10枚入りが1400元〜3300元(約2万8289~6万6683円)で取引されており、生産終了前の20倍以上。写真館での撮影も1枚300〜600元(約6062~1万2124円)と高額で、使用カメラやサービスによって変動する。


ピールアパートフィルムは、撮影後にフィルムを手で引き出し、一定時間の現像を経て剥がすと完成写真が得られるインスタントフィルム。ネガも同時に残る。一般的なインスタントよりもカメラのレンズ性能が良く、シャープさや色彩表現に優れている。


主要メーカーだったポラロイドと富士フイルム(FujiFilm)はすでに生産を終了。特に富士は2014年にモノクロ版を、2016年にはカラー版を終売した。浙江省(Zhejiang)杭州市(Hangzhou)で映像機器店を営み、フィルム販売や撮影サービスも行っている精彩(Jing Cai、仮名)氏は、当初1箱70元(約1414円)で購入していたが、現在は海外から1箱150ドル(約2万1907円)で仕入れているという。


中国のあるフィルム撮影サービスを行っている写真館(撮影日不明、資料写真)。(c)CNS


中古品オンライン取引プラットフォーム「閑魚(Xianyu)」などの中古取引サイトでは、製造ロットや期限によって価格差があり、2014年製で1400元、2019年製では3300元にもなる。販売者によると、遅く期限切れになるほど希少性が高まり価格が上がる傾向にある。生産が再開されなければ今後も値上がりが続く可能性がある。


市場コンサルタント会社「盤古智庫(Pangoal)」の上級アナリスト、江瀚(Jiang Han)氏は、「希少性が価格高騰の要因で、期限切れであってもコレクション価値があると感じる人が多い。さらに、SNSの影響で若者の注目が集まり、レトロブームが広がっている」と指摘する。


富士フイルムは、「撮影後すぐに『実体』の写真が得られることや、フィルム特有の質感・画質が新しい価値となっている」とし、販売終了後も「インスタックス(%%instax%%)」シリーズで一回撮りの楽しさを提供し続けている。


■写真館での撮影価格も高騰、1枚300元超


ピールアパートフィルムを扱う新興の写真館が増え、インスタント写真やレトロ風の撮影が人気を集めている。山東省(Shandong)の「パイナップル写真館」では予約制で撮影を受け付け、10人集まると1箱を仕入れて撮影する。価格は1枚299元(約6041円)。


中国最大の口コミサイト「大衆点評(Dazhong Dianping)」の情報では、北京市の写真館での撮影料金は230元〜560元(約4647~1万1315円)。メイクやフレーム付きのプランもある。


北京市の「PYQ写真館」店長の胡(Hu)氏は、ピールアパート用のフィルムを2015年に購入しており、当時パートナーがポラロイドのBigshotカメラを入手した際、富士やポラロイドの代理店から10箱以上のフィルムを同時に仕入れたという。「当時は撮る人も少なかったが、最近またブームになり、保管していたカメラを店頭に戻した」と話す。


胡氏は価格設定について、「使用するフラッシュバルブは使い切りで、すでに生産終了しており、1個100元(約2020円)で4回しか使えない。また、フィルムも期限切れで失敗リスクがある。撮った写真はレタッチもできないため、仕上がりが気に入らないケースもある。だからこそあえて価格を高めに設定し、慎重に考えてもらうようにしている」と説明する。

一方、精彩氏は、店での撮影料金を1枚360元(約7274円)に設定し、最近値上げしたという。「最近は学生やアイドルファンの利用が多く、『推しと同じ構図で撮りたい』というニーズが強い」と話す。

胡氏によれば、ここ2か月でピールアパートフィルムの撮影希望者が明らかに増え、毎日10人ほどが問い合わせに訪れ、5〜6人が実際に撮影している。年齢層は主に20〜40代の女性だという。


精彩氏も、「確かに今は人気があるが、1枚300元以上で、かつ仕上がりの保証がないため、消費できる層には限界がある。ただ、芸能人の影響が続く限り、ブームもしばらく続くだろう」と見ている。


三川匯文旅体研究院の朱嘉(Zhu Jia)氏は、「このブームには希少性、話題性、スターの影響、そして消費者の共感心理が絡んでいる。『芸能人と同じ=おしゃれ』という価値観が形成された」と分析している。


■カメラ本体も高騰、プロ機には保有価値も


SNS上では「失敗写真(黒画面や薬液不足)」への不満もあるが、「人の目に近い自然な画角」「味のある質感」などを評価する声も多い。だがフィルムは2年で期限切れとなり、失敗率は高い。写真館では事前に「成功保証はできない」と説明し、自己責任での利用を求めている。


使用可能な機種はポラロイドと富士の旧モデルで、大半は生産終了済み。Land Cameraシリーズ、Big Shot、Polaroid110A/Bなどが主力。大判カメラも専用パーツを使えば対応可能だ。


価格は2016年に一度下落したが、近年再び上昇。Bigshotは1000〜1600元(約2万207~3万2331円)から4000元(約8万828円)へ、Polaroid110A/Bは1100元(約2万2227円)から2000〜3500元(約4万414~7万724円)に値上がりしている。


「フィルムが高価な今、撮影はやはり高性能機でないともったいない。プロ機は専用レンズ付きで、今後ピールアパートフィルムが完全に入手不能になっても、他のフィルム用に改造できる」と専門家は語る。(c)東方新報

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