国際エネルギー機関(IEA)が5月14日に発表した「2025年世界電気自動車展望」報告書によると、世界の電気自動車(EV)の販売は継続的に成長しており、生産・販売の両面で中国が世界市場をリードしている。
報告書は、2024年の世界全体のEV販売台数が前年比約25%増となり、初めて世界の自動車市場におけるシェアが20%を超えたと指摘している。
地域別の市場を見ると、中国は引き続き世界のEV販売を牽引しており、2024年には中国国内の新車販売のうちEVがほぼ5割を占めた。
2024天津国際モーターショーでのがファーウェイ鴻蒙智行ブースの様子(2024年9月30日撮影、資料写真)。(c)CNS/佟郁
また、アジアや南米などの新興市場がEV販売の成長の中心となっており、2024年の販売台数は前年比で60%以上の伸びを記録した。一方で、欧州のEV販売は伸び悩んでいるが、市場シェアは約20%を維持している。
IEAは分析の中で、経済の不確実性や貿易・産業政策の変化がEV業界の今後の見通しに影響を及ぼす可能性があるとしつつも、電池コストの低下などの要因によりEVの価格が手頃になり、消費者の支持を得やすくなっていると述べている。
さらに、現在の国際エネルギー市場における価格水準に基づくと、EVの利用コストは一般的にガソリン車より低い。たとえば欧州では、現地のガソリン価格と電気料金に基づくと、EVの運用コストはガソリン車の約半分となっている。
報告書は、世界経済に不透明感がある中でもEVの販売は過去最高を更新し続けていると強調している。2025年には世界のEV販売台数が2000万台を突破し、全自動車販売の25%以上を占める見通しだという。さらに2030年までには、EVが世界の新車販売の40%を超えると予測されている。(c)東方新報