最近、中国フィギュア大手ポップマート(Pop Mart)が発売した「LABUBU(ラブブ)」の第3世代ソフビぬいぐるみが、世界中で大きな注目を集めている。中国本土のオンラインストアでは、販売開始と同時にすぐ売り切れとなり、海外でも購入希望者が殺到。ポップマートのアプリは米アップル(Apple)のアップストア(App Store)「ショッピング」カテゴリで初めて1位になった。欧米のセレブたちが、バッグにラブブのキーホルダーをつけている姿も話題になっている。
その一方で、ラブブの品切れ状態を受けて、いわゆる「精巧な偽物」の人気が急上昇している。国内外のSNSでは、「顔がゆがんでいる」「口がずれている」「髪がない」といった高精度のコピー品を購入したという投稿が次々と上がっており、ネットユーザーの間では、そうした偽ラブブを「LAFUFU(ラフフ)」と自虐的に呼ぶ流れも出てきた。これらのコピー品はネット上で大きな話題となり、売れ行きも好調だ。
ポップマートをテーマにした北京の公園で、ラブブのモニュメント前で写真を撮る人たち(2025年2月22日撮影、資料写真)。(c)CNS/趙文宇
中国社会科学院大学インターネット法治研究センターの劉暁春(Liu Xiaochun)主任は、ラブブが人気になりすぎたことで、正規品が手に入らず、市場の需要に応えきれない状態が続いた結果、コピー品やパロディ商品が登場して、空白を埋めるようになったと話す。中には、正規品よりも高い値段がついているコピー品すら出ているという。
劉氏は、購入者には主に2つのタイプがあると分析する。1つは、コピー品を本物と勘違いして買ってしまう人。もう1つは、偽物と分かっていながら、わざと買う人だ。彼女は、こうした「品薄、転売、コピー品の高騰」という順の構図が続けば、偽物の流通や製造がどんどん組織化・産業化していく恐れがあると警鐘を鳴らす。その結果、消費者のブランドへの信頼が揺らぎ、ラブブというキャラクターのイメージにも悪影響が出る可能性があるという。
劉氏は、ブランド側がコピー商品などの権利侵害に対して、もっと本格的に取り締まりを行う必要があると訴える。ユーザーが本物と偽物を簡単に見分けられるような対策を整え、正規品の価値と消費者の信頼を守ることが大切だと語っている。(c)東方新報