世界初の具身型AI（エンボディド・インテリジェンス）ロボット4S店の発表会が11日、北京市亦荘地区のロボット産業パークにあるロボット展示センター「ロボット大世界」で開催された。発表会では、北京市亦庄が2025年の世界ロボット大会期間中に、世界初の具身型AIロボット4S店を正式にオープンすることを発表した。この4S店は、北京市のロボット産業園（亦庄地区）に位置し、ロボットのライフサイクル全体に対応したサービス体系を構築することを目指している。

2025年の世界ロボット大会は、今年8月8日から12日まで、北京経済技術開発区の「北人亦創国際会展センター」で開催され、フォーラム、展示会、最前線の競技、関連イベントなど4つのセクションが設けられ、約200社のロボット企業が最新の研究成果を展示する予定だ。

北京市の「ロボット大世界」で開催された世界初の具身型AIロボット4S店の発表会（2025年6月11日撮影、資料写真）。(c)CNS/富田

■ロボット4S店に行く理由は？

現在、ヒューマノイドロボットは急速に発展しており、2025年はヒューマノイドロボットの量産元年と見なされている。人工知能（AI）や運動制御技術の進展により、業界では、世界のヒューマノイドロボット市場規模が今後3年間で1000億元（約1兆9948億円）を超えると予測されており、応用範囲は産業製造から商業サービスや家庭生活などの分野に急速に広がっている。技術の急速な進化と複雑な応用ニーズに直面し、従来の分散型の販売サービスモデルでは、企業が求める技術検証、シナリオ適応、全ライフサイクルの運用管理には対応できない状況になってきている。

この背景の中、北京亦庄は世界初の具身知能ロボット4S店を構築することになった。この4S店は、具身型AIロボットを中心に、ロボットの販売（Sale）、部品供給（Sparepart）、アフターサービス（Service）、情報フィードバック（Survey）を一体化させ、ロボットのライフサイクル全体に対応するサービス体系を構築し、供給と需要の両方を効率的に接続し、価値の転換を実現することを目的としている。

■ワンストップサービスはどれほど便利か？

ロボット4S店は、シナリオ展示、没入型インタラクション、標準化された納品、アフターサービスの安心感など、さまざまな機能を備えており、最先端技術と市場のニーズを深く融合させることができる。

北京亦庄ロボット科技産業発展有限公司の副総経理である王一凡（Wang Yifan）氏は、ロボット4S店は具身型AIロボットを中心に、多種多様な製品を扱う世界的なロボット4Sプラットフォームを構築し、供給と需要の両方を効率的に接続することを目指していると語った。

販売に関しては、ロボット4S店は企業製品に合わせたカスタマイズされた空間を構築し、「その形を見る、効果を試す、優れたものを比較する」という体験メカニズムを提供し、製品が展示から実際の使用へと移行できるように推進する。また、分割払い、ローン、保険、仲介、パッケージなどを組み合わせた金融サービス体系も構築する。

部品供給については、サプライチェーンのトップ企業と連携し、全国規模で迅速に対応するシステムを確立する。さらに、修理、アップグレード、組み立て、教育など、すべてのシナリオに対応できる部品支援システムを作り上げる。

ロボット4S店はまた、大学と企業との連携により、体系的で専門的な保守チームを育成し、長期間の修理を必要とする設備に対しては、同一モデルのロボットのレンタルサービスも提供する予定だ。

■どんな「魅力的な企業の秘密」が隠れているのか？

ロボット4S店は、北京市亦庄が持つ強力な産業集積力を背景に、周囲の企業を引き寄せる力を発揮している。現在、100社以上のロボット産業の上下流企業が入居を希望しており、その中には30社のヒューマノイドロボット企業も含まれている。

発表会の現場では、北京ヒューマノイドロボット革新センター、深セン市優必選科技（UBTech Robotics）、智元ロボットなど、具身型AIロボットのトップ企業10社がロボット4S店との協力意向協定を締結し、ロボット4S店の初期入居パートナーとなる可能性がある。

■北京亦庄がロボット4S店を「手に入れた」理由は？

北京亦庄は、北京のロボット産業の重要な集積地であり、世界ロボット大会の恒久的な開催地でもある。北京亦庄の豊富な産業基盤は、ロボット4S店の誕生にとって絶好の土壌を提供している。現在、北京亦庄には300社以上のロボットとスマート製造関連の企業が集まり、産業チェーンの規模は100億元（約2004億4010万円）を超え、北京市のロボット産業の半分を占めている。

今年2月、北京亦庄は「ロボット9大標準シナリオ機会リスト」を発表し、亦庄新城のシナリオ資源を正式に開放することを宣言した。これにより、2年以内に1万台以上、50億元近くの具身知能ロボットの応用機会が提供され、そのうち1000台以上がヒューマノイドロボットの需要となる。これにより、ロボット企業には広大な発展スペースと市場機会が提供される。

北京経済技術開発区の関係者は、世界初の具身型AIロボット4S店が開店することで、北京亦庄のロボット産業のエコシステムがさらに整備され、産業の集積効果と革新力が向上すると述べた。また、北京経済技術開発区は、企業に対して全方位のサポートとサービスを提供し、ロボット産業の質の高い発展を支援していくと強調した。(c)東方新報