中国黄金協会が7月24日に発表したデータによると、2025年上半期における中国の金の消費量は合計で505.205トンとなり、前年同期比で3.54%減少した。一方で、地金および金貨の消費は264.242トンに達し、前年同期比で23.69%の大幅な増加を記録した。
部門別では、金製ジュエリーの消費が199.826トンで前年より26.00%減少。一方、前述の通り地金と金貨の需要は伸び、264.242トン(+23.69%)に達した。工業用などその他の用途では、41.137トンで2.59%の微増となっている。
北京市内の百貨店で販売されている金製ジュエリー=2025年4月26日撮影・資料写真(c)CNS/張祥毅
協会はこの背景として、金価格の高騰がジュエリー需要を圧迫していると分析。特に、軽量でデザイン性が高く、付加価値のあるジュエリーは引き続き人気だと指摘する。また、地政学的リスクや経済の不確実性が続くなかで、金が「安全資産」として再評価され、個人投資家による地金・金貨の購入が急増したと述べている。
また、2025年上半期における中国国内の金ETF(上場投資信託)の保有量は、84.771トンの純増となり、前年同期の30.696トンから173.73%の大幅な伸びを示した。6月末時点での金ETFの総保有量は199.505トンに達している。
同期間、中国政府は国家の金備蓄として18.97トンを追加購入し、6月末時点での金準備高は2298.55トンとなった。
生産面では、国内の金鉱からの金の生産量が179.083トンで、前年同期と比べて0.551トン(0.31%)の微減。ほぼ前年並みの水準を維持している。
協会は、「金価格の高騰により企業の利益幅は拡大したが、一部の鉱山企業は鉱石の品位(金の含有率)を下げて採掘を行い、資源を最大限に活用しようとしたものの、生産量自体は大きくは増えなかった」としている。
さらに、中国の大手金属企業が保有する海外鉱山での金生産量は39.608トンで、前年同期比で16.17%増加した。