中国電信（チャイナテレコム）は13日、近々衛星電話サービス「天通（Tiantong）」を正式に開始すると発表した。

「天通衛星移動通信システム」は、中国の領土、領海を全面的にカバーし、あらゆる気象条件、全ての時間帯で、ユーザーに安定した移動通信が提供可能になる。

天通衛星スマホ或いはその他の衛星通信用端末が衛星通信サービス区域内であれば、ユーザーは音声電話、ショートメッセージ、データ通信ならびに位置情報サービスが使用できる。

天通衛星スマホの電話番号は上四ケタ1740で始まる新しい番号区域で、すでに中国内外の通信事業者との相互通信網が確立されている。

天通は中国が自前で作り上げた初の衛星移動通信システムで、広域網羅性、全天候通信能力などの特徴を備えている。

通信衛星、マイクロチップ、携帯端末など全て国内で研究開発し生産されたもので、長年国外の衛星移動通信サービスに頼っていた状態から脱却し、ユーザーに対して通信の安全を保障することができるようになった。

しかし、果たしてこのようなサービスは料金が高くはないだろうか？

今のところ衛星電話の音声電話の1か月セットプランは、60分間の国内通話料付きで100元（約1600円）、年間プランでは750分の国内通話料付きで1000元（約16000円）となっている。

データ流量付きのセット料金は、1か月セット300元（約4800円）で国内流量20メガバイト付き、年間セット料金は3000元（約48000円）で国内流量240メガバイト付きとなる。

しかし、注意すべきは、衛星電話をするには専用の端末が必要で、普通のスマホは使えないこと。

現在すでに25種の衛星通信端末が中国工業・情報化部の通信網参入許可証を取得している。その中には携帯端末、車載用、船舶搭載用、衛星通信ルーター「天通猫」など多くの種類が含まれている。

これらの端末の価格は安いものとは言えない。携帯用スマホを例にとると、一番安いDT120が5999元（約9万5700円）、その他の機種は基本的に1万元（約16万円）ほどの価格帯になっている。

「天通衛星電話システム」を海上で試験する技術者（2019年6月5日撮影、資料写真）。(c)CNS/孫自法